自宅のパソコンやVPS上で複数のMT4、EAによるFX自動売買をしている方の中で、一度は悩まされたことがあるのが、
「MT4(メタトレーダー)の動きが重い気がする。」
「1つのパソコンやVPSでどのくらいMT4やEAを動かすことができるのか。」
ということ。色々なサイトや本などに、目安として1GBあたりMT4は4つまでですよ~。など書いてありますが、これはあくまで目安です。
こんな方におすすめ
- 出来るだけ安いVPSでEAを複数運用したい方
- 自宅のパソコン上で、たくさんEAを複数運用したい方
- なんだかパソコンやVPSの動作が重くてEAのエントリーが遅れていると感じている方
- MT4が重いので、動作を軽くする方法を知りたい初心者の方
純粋にMT4を軽くするというのは、トレードの固定費を抑えることになるので必ず参考になる内容です。
環境によって、FX自動売買のトレードで損失を出してしまうのは不本意だと思いますし、MT4が重いせいで設定しているEAが動かずポジションを持たない状況になるのは避けたいですね。
今日はその対策として初心者トレーダーでもわかる「FX自動売買でMT4を軽くする簡単な7つの方法」をお伝えします。
FX自動売買でMT4を軽くする簡単な7つの方法
- チャートの最大バー数を必要最小限にする
- 気配値の通貨ペア数を最小にする
- MT4に表示されるニュースを無効にする(「ニュースを有効にする」チェックを外す)
- 余計なチャートをMT4上に表示しない
- 余計なインジケーターは利用しない
- 再表示用に削除済チャートを保存しない
- MT4の音声設定を無効にする
- Windows自体をパフォーマンス優先にする(パソコンのメモリ消費を抑える)
8つ目は、どちらかというとWindows自体の動作を軽くする技。
そういうイメージです。
「MT4を軽くする」為の前提として、パソコン上のメモリについても簡単に解説しておきましょう。
MT4を軽くするために知るパソコン、VPSのメモリの前提知識
MT4が重い状態を治したり、MT4を軽くする時に鍵をにぎるのが、パソコンやVPSの「メモリ」の存在。
このメモリについては、パソコンやVPSサーバーを利用する上で切っても切り離せないものですが、細かいところまで覚える必要はありません。
ざっくりと知っておいてほしいのは、
パソコンのメモリって?
- パソコンやVPS上では動かすMT4などのソフトウェアについては、そのソフトを動作をさせる為にWindowsが「メモリ」を消費する。
- メモリ容量が大きい(余裕がある)と動作が軽くなり、メモリ容量が小さい(空きがない)と動作が重くなる。
ということです。
このメモリは、パソコンやVPSの性能、WindowsOSの種類によっても変わってきます。
例えば、パソコンでWindows7 32bit版の場合は最大4GB、Windows7 Home basic 64bit版は最大8GBなど。
VPSについても、最初の契約時にメモリの選択をします。
例えば2022年10月現在お名前.comで最も人気があるのはメモリ4GBのタイプ。メモリ容量が増えれば増えるほど、利用料金も上がるというところです。
メモリは例えるならばオフィスの机の上。汚れないようにする
イメージで言うならばパソコンやVPSのメモリは、「オフィスの机の上」。
データを保管するハードディスク(SSDは「机の引き出し」、MT4やその他のアプリケーションが「机に産卵している文房具や書類」。CPU(Windows)が「お仕事をしようとしている自分」というところ。
文房具や書類(MT4などのアプリケーション)を出しっぱなしにしていると、机の上がいっぱいになり散らかってきて、仕事の効率が下がる。
パンパンになったら仕事どころではなくなる。
なので、快適に仕事をする(MT4を軽くする)ためには、
ポイント!
- オフィスの机(メモリ)を大きなものにする
- 机に散乱している文房具や書類をきれいにしてしまう
- 利用する文房具や書類(MT4)自体のサイズを小さくしたり整理する
という3つになり、「今回紹介するMT4を軽くする方法=メモリ消費を抑える方法3つ目の太線の効果」があるわけですね。
では早速具体的な方法を説明します!
MT4が重い場合に軽くする為の7つの方法
MT4のチャートの最大バー数を必要最小限にする
1つ目のMT4軽量化対策は、MT4のチャートの最大バー数を必要最小限に減らすという方法。
バー数というのは、ローソク足の本数ということです。
EAの種類によっては、過去のローソク足(バー)を計算して動作するロジックを使用しているものもありますので、動作に不具合がでるものもあるようですので、そちらは注意いただくといいでしょう。
※本ブログで公開しているExy-2シリーズの動作には影響はありませんのでご安心ください。
過去のチャートの表示やバックグラウンドでの計算等を抑える事によって、メモリの利用量を抑えてMT4を軽くする効果があるということですね。
MT4上部メニューの「ツール」→「オプション」をクリックします。
オプションウィンドウが出てきますので、「チャート」タブをクリック。
下の方にあるヒストリー内の最大バー数、チャートの最大バー数を変更します。
「オプション」ー「チャート」で変更する箇所
- ヒストリー内の最大バー数:(初期値)512000→2000に変更
- チャートの最大バー数:(初期値)65000→2000に変更
この変更をすることで、ヒストリー内の最大バーとチャートの最大バー(=MT4内部に保持されるローソク足・価格のデータ)が少なくなり、消費メモリ量が少なくなる。
つまりMT4の動作も軽くなります。
この記事で紹介しているMT4が軽くなる7つの方法の中で一番大きく効果が出るかもしれません。
余談にはなりますが、検証用のMT4の場合は、逆にこのヒストリー内の最大バー数、チャートの最大バー数を最大にして、過去のヒストリカルデータをFXDDやFXTFなどからダウンロードして、バックテストを行ったりします。
気配値の通貨ペア数を最小にすることでMT4のメモリを抑える
消費メモリを減らしMT4を軽くする2つ目の方法は、「気配値の通貨ペア数を必要最低限の数にする」ことです。
何気なく表示しているこの気配値。
実は価格情報を都度更新している、表示していることもあり、多少ではありますがメモリを消費しています。
では早速気配値は必要な分だけ表示していらないものは非表示にしましょう。
気配値表示ウィンドウのどこでもいいので右クリックをします。
そして、「すべて非表示」をクリックします。
すると、現在MT4でチャートを表示している通貨ペア(つまり、EAを動かしている通貨ペア)以外は非表示になります。
ちなみに、MT4に気配値を表示するためには、以下の図のように、MT4上部の表示→気配値表示をクリックすることで、MT4左側に気配値表示を出すことができます。
検証用のMT4などでは、気配値表示を逆に全て表示することで、使用しているFX会社のMT4で取り扱っている全ての通貨ペアを表示してテストを行ったりもします。
MT4に表示されるニュースを無効にする(「ニュースを有効にする」チェックを外す)
3つ目のMT4を軽くするためのメモリ軽減方法は、「MT4に表示されるニュースを無効にする」ということです。
ターミナルの中にあるニュースタブに英語で表示されることがあります。
※こちらはあまり影響はないかもしれませんが、EAを動かしているVPSやパソコンで見ることはまずないという方は無効にしておくといいですね。
MT4上部メニューから、ツール→オプションを開きます。
「サーバ」タブの中のニュースを有効にするのチェッククリックして外し、OKを押します。
これで、ニュースは受信されなくなります。
EAを動かしていない余計なチャートをMT4上に表示しない
4つ目のMT4軽量化をするメモリ節約方法。
それは、「EAを動かしていないチャートはMT4上に表示しない」というシンプルな事です。
EAを入れているわけではないチャートは右上の「X」をクリックして閉じましょう。
チャート自体、リアルタイムでFX会社のサーバから価格を受信して表示しています。
なので、当然ですがメモリを消費して動いています。
必要なチャートだけを表示することがMT4を軽くすることに繋がります。
そして、2つ目に紹介した気配値の通貨ペアからも非表示にしましょう。
EA以外の余計なインジケーターをチャートに表示しない
5つ目のMT4を軽くする為の対策は、EA以外の余計なインジケーターをMT4上で稼働しないということ。
自分のパソコンでEAを動かしている人などによくあるかもしれません。
インジケーターはMT4内部で、ローソク足の値動きをデータ化したヒストリカルデータを計算してその結果をチャート上に描写しているものです。
なのでメモリを消費しますし、インジケーターの種類によってはかなり動作に影響がでるものもあります。
できるだけ最低限、むしろEAを動かすMT4、PCやVPSではインジケータは利用せずEAのみを動作させることに専念することをおすすめします。
インジケータの削除方法はこちら
- チャート上で右クリックをして、表示中のインディケータをクリック。
- 1つ1つ、左側に表示されているインディケーターをクリックして、右側の削除をクリック。それを繰り返します。
MT4に再表示用削除済チャートを保存しない
6つ目のMT4を軽くするメモリ軽減対策は、「MT4に再表示用削除済チャートを保存しない」方法です。
この再表示用チャートもEAを動作させる上ではそこまで必要ない機能なので無効にしましょう。
MT4上部メニューから、ツール→オプションを開きます。
オプションウィンドウで、チャートタブから、再表示用に削除済チャートを保存の項目のチェックを外してOKをクリックします。
このことで、以下のチャートの再表示に閉じてしまったチャート情報を保存する機能が無効になります。
こちらは、インジケーターやEAなどの情報など、過去にチャートを☓で閉じた時の情報を保持するMT4の機能で、間違って消してしまったMT4環境情報を保持する機能です。
MT4の音声設定を無効にすることでEA負荷を減らす
7個目のMT4軽量化、メモリ使用量を減らす方法は、MT4の音声設定を無効にするという方法。
他と同じくMT4全般の設定なので、MT4上部メニューから、ツール→オプションを開きます。
音声設定タブから、無効にするというチェックを外してOKをクリックします。
この操作をすることで、MT4の音声機能を無効化することができます。
この音声というのは、MT4のアラート音や、通信ができなくなった時の音、通信再開の音、起動時の音、その他シグナル系のインジケータの音やEAのバックテスト音、アラート音など、MT4の全ての音声を無効にすることができます。
EAを稼働するVPSやパソコンでは不要な機能なのでMT4軽量化のために無効にします。
Windows自体をパフォーマンス優先にする(パソコンのメモリ消費を抑える)ことでMT4を沢山動かす
ここまで紹介したのはMT4を軽くする7つの方法。
MT4自体のEAを稼働する上で不要な機能を無効・設定変更する方法を伝えてきました。
最後に、パソコン・VPS自体のWidnowsのメモリ使用量を抑える設定も、MT4を軽く使うために有効なのでお伝えします。
それは、Windowsの視覚効果などおしゃれな機能を無効にし、最低限の機能、パフォーマンスを重視するという設定をするということです。
これは、普段自分で利用しているパソコンを軽くする時にも有効な設定だと思うので知っておくと便利です。
まず、スタートボタンやエクスプローラーなどから、自分のコンピューター(マイコンピューター、PC、このコンピューターなど)を右クリックして、コンピューター・システムのプロパティを表示します。
システムのプロパティから、詳細設定タブからパフォーマンスの設定をクリックします。
すると、パフォーマンスオプションが表示されます。
初期状態だと、「コンピューターに応じて最適なものを自動的に選択する」になっていると思います。
Windows軽量化、MT4を軽くする為におすすめの設定は、
おすすめパフォーマンス設定
- 「パフォーマンスを優先する」をクリック
- その後、下のアイコンの代わりに縮小版を表示するにチェック
とします。そして、下のOKをクリック。
すると、Windowsの背景や動作にオシャレ感がなくなり、パフォーマンス重視の設定に変わります。
EAを動作するパソコンやVPSに関しては、ビジュアルは特に関係ありません。
このパフォーマンス重視の設定にすることによって、Windows上で余計なメモリを使わなくなり結果的にMT4にかけられるメモリ容量が増え、結果的にMT4も軽くなります。
つまり、ここまでの設定を全て行うことによって、負荷が特に多くないEAに関しては複数起動することが可能になるということです。
関連
最終的に、いくつのEAを起動できるか。というのは利用しているEAやパソコン・VPSによって異なります。
なので、軽くなったMT4を稼働させている状況で、「タスクマネージャー」からメモリの使用量を確認したり、動作状況を確認して判断するといいでしょう。
MT4を動かすPCやVPSの性能アップ(メモリ・CPU・SSD)もおすすめ
ここまでMT4が重い場合に軽くする方法をお伝えしましたが、EAを複数動かす場合などは限界があります。
パソコンやVPSは、時代が進むに連れてテクノロジーが進化し、高性能なCPUやSSD、大容量のメモリ搭載しているものが安価で利用できるようになります。
MT4の利用方法でなんとかやりくりするのも大事ですが、特にVPSは契約を見直すことで月額費用が安く済み、良い結果に繋がることが多いです。
以下の記事でどのような観点を確認すべきか、MT4で自動売買を行うためのおすすめVPSお名前ドットコムやAblenetの比較やスペック、選び方も紹介していますので参考にしてください。
MT4を軽くする まとめ
MT4が重い!原因と動作を軽くする7つの簡単な方法【FX自動売買、VPS・パソコン共通】を紹介しました。
MT4を軽くする対処方法で、使っているMT4は軽くなりましたか?
MT4が重い原因と軽くする方法 まとめ
- 紹介した7つの方法は一度試して欲しい方法です。
- 中でも、チャートの最大バーを最小限にするは効果が高いです。
- MT4を軽くする=パソコンやVPSを軽くすることも試してみましょう。
- MT4を軽くすることで、沢山のEAを同時に動かすことが可能になります。
ここまで紹介したMT4が重い場合や、FX自動売買でMT4を軽くする簡単な7つの方法は、特に複数のEAでFX自動売買を行っていく上で有効です。
なぜなら、パソコンやVPSも資源であり高性能なものを利用するためには費用がかかるから。
そして、劣悪な環境でEAを稼働することにより、機会損失の恐れがあると考えるとしっかりとEAが稼働する環境を整える必要があるからです。
初心者トレーダーの方でも見ながら操作はできますので、是非「MT4を軽くする7つの方法」を活用していただければと思います。
何か不明点などあれば、問い合わせLINEなどから質問してください。
以下の記事で、FX初心者の方が知っておくと便利なことを紹介しています。