


「全利確モードにしているのに、1ポジションずつしか決済されない(ナンピンのポジションが残る)」「ナンピン(追撃)が入らない」というお問い合わせをいただきました。この記事では、全利確が思ったとおりに効かない理由と、ナンピンが入る条件を、黄金ガーリックXRV改とExy-Panel ONEについてまとめます(2026年10月時点で、配布中のファイルとソースで確認)。
こんな方におすすめ
- 全利確モードなのに、初回のポジションだけが決済される方
- ナンピンのポジションだけが残ってしまう方
- ナンピン(追撃)が入らない理由を知りたい方
- 黄金ガーリックXRV改やExy-Panel ONEを使っている方
結論:初回の TP に先に届くと、初回だけが決済される
先に結論をまとめます。
この記事の結論
- まず疑うのは初回の TP。初回のポジションには、全利確とは別に TP(利確)が付いている
- ナンピン(追撃)のポジションには、初期値では TP が付かない
- 全利確の条件より先に初回の TP に届くと、初回だけが決済され、TPのないナンピンのポジションが残る
- 初回の TP の値を見直すと、先に決済される動きを避けられる(引き換えもある)
- ナンピンが入らないときは、EAごとの「入る条件」を1つずつ確かめる
全利確の仕組みと、初回の TP の関係
全利確は、そのEAのポジション(同じチャートの通貨ペア・同じマジックナンバー)の損益を合計し、設定した金額(または口座残高に対する%)に届いたら、まとめて決済する機能です。
一方で、初回のポジションには、全利確とは別に TP(利確)が付きます。ナンピン(追撃)のポジションには、初期値では TP が付きません。



黄金ガーリックXRV改で確認すること
初回の TP に関わる項目と、全利確に関わる項目は次のとおりです。パラメーターの名前と初期値で示します。
| 項目 | パラメーター名 | 初期値 |
|---|---|---|
| 初回トレードの利確(pips) | TradeTP | 20.0 |
| 追撃トレードの利確(pips) | NanpinTP | 0.0(0で無効=TPなし) |
| 全利確モード | AllClose | true |
| 全利確%(ポジション利益合計が口座残高のX%以上で全利確) | Percentofbalance | 100 |
| 全利確金額(ポジション利益合計がX円以上で全決済) | ProfitAmount | 800 |
全利確%と全利確金額は、どちらかに届けば全利確します。また、全利確の判定は、手数料とスワップを含めない損益(約定値と現在値の差の損益)で行います。

初回だけ先に決済されるのを避けたいとき
TradeTP の説明には「0以外!無効にする場合は1000など大きな数字に」とあります。初回だけが先に決済されるのを避けたいなら、TradeTP を 1000 などの大きな値にします(0 にはしません)。
引き換えになること
- TradeTP を大きな値にすると、決済は全利確(と、使っていれば全損切)だけになります。
- そのぶん、ポジションを持つ時間が長くなることがあります。ナンピンの含み損を抱えたまま持つ時間が長くなることもあります。
- どちらの設定がよいかは、ご自身の資金と考え方で決めてください。
時間決済モードを使っているときも、1つずつ決済される
黄金ガーリックXRV改には「時間決済モード(ExitTimeMode・初期値 false)」があります。これを true にしていると、それぞれのポジションが、開いてから「ExitTime(初期値60分)」たった時点で1つずつ決済されます。全利確とは別の決済なので、1つずつ決済されるときは、この設定も確かめてください。
パラメーターの変え方は、チャート上で右クリックして「エキスパートアドバイザ」→「設定」を開き、「パラメーターの入力」タブの該当項目を変えて「OK」を押します。
ナンピンが入る条件(黄金ガーリックXRV改)
ナンピンは、次の5つがすべてそろったときに入ります。
| No. | 条件 |
|---|---|
| 1 | ロボ追撃モード(nanpinmode)が true |
| 2 | 最初のポジションから「追撃pips(nanpinpips・初期値10.0)× いま持っているポジション数」だけ逆に動いた |
| 3 | 前回ナンピンの判定をした足とは別の足であること(同じローソク足の中では、買い・売り合わせて1回しか判定しない) |
| 4 | 前回のトレードから5分以上たっている |
| 5 | 持っているポジション数が、最大同時エントリー数(LotsCountBuy/LotsCountSell・初期値15/15)より少ない |


黄金ガーリックXRV改の詳しい説明は、黄金ガーリックXRV改の記事にまとめています。
Exy-Panel ONEで確認すること
Exy-Panel ONEの、初回の TP とナンピン、全利確に関わる項目は次のとおりです。
| 項目 | パラメーター名 | 初期値 |
|---|---|---|
| パネル上の TP Pips 初期値 | TradeTP | 10.0 |
| ナンピンON/OFF(起動時の初期値。基本はパネル上で操作) | nanpinmode | true |
| 追加エントリー間隔(pips) | nanpinpips | 50 |
| 追撃上限回数(初回を含む) | MaxMartingale | 5 |
| 追撃間隔(分) | minIntervalMinutes | 5 |
| 全利確モード | AllClose | true |
| 全利確%(0で無効) | Percentofbalance | 0.0 |
| 全利確金額(円) | ProfitAmount | 200 |
初回はパネルのボタンでエントリーし、その TP は、パネル上の「TP Pips」の値で付きます。ナンピンのポジションには TP を付けません。全利確の判定は、手数料とスワップを含めた損益で行います。


パネル上で変える項目と、パラメーター画面で変える項目
| 変える場所 | 項目 |
|---|---|
| パネル上 | ナンピンのON/OFF、TP Pips |
| パラメーター画面(チャートを右クリック→エキスパートアドバイザ→設定→パラメーターの入力タブ) | 追加エントリー間隔(nanpinpips)、追撃上限回数(MaxMartingale)、追撃間隔(minIntervalMinutes)、全利確の各項目(AllClose・Percentofbalance・ProfitAmount) |
初回だけが先に決済されるのを避けたい場合、TP Pips を 0 にすると、初回に TP を付けません。ただし、初回に TP が付かないぶん、決済は全利確(と、使っていれば全損切)などに限られ、ポジションを持つ時間が長くなることがあります。
なお、パラメーター画面で設定を変えると、パネル上の TP Pips はパラメーターの初期値(TradeTP)に戻ります。パラメーターを変えたあとは、パネルの TP Pips も見直してください(パラメーター解説にも記載があります)。
ナンピンが入る条件(Exy-Panel ONE)
ナンピンは、次の5つがすべてそろったときに入ります。
| No. | 条件 |
|---|---|
| 1 | パネルのナンピンが ON |
| 2 | 直近のポジションから「追加エントリー間隔(pips)」以上、逆に動いた |
| 3 | 直近のエントリーから「追撃間隔(分)」以上たっている |
| 4 | ポジション数が、追撃上限回数(初回を含む)より少ない |
| 5 | MT4の自動売買が許可されている |
見落としやすい2点
- MT4の自動売買が許可されていないと、ナンピンを見送ります。このとき、エキスパートタブに「[Nanpin] skipped because trade is not allowed」と出ます。
- 追撃間隔(minIntervalMinutes)が 99999 のような大きな値になっていると、条件3がほぼ満たされず、ナンピンが入りません。99999分は約69日です。初期値は5です。


ほかの原因かもしれないとき
全利確やナンピンの設定を見直しても解決しない場合は、次の記事もあわせて確認してください。
- EAそのものが動いているか(MT4の起動・回線・自動売買の許可など) → MT4のEAが動かない・稼働しない時の対処法6選
- 新規エントリーが入らないとき(スプレッドが広いと見送ります) → EAが新規エントリーしない時は許容スプレッドを確認
- 時間の設定が思ったとおりに効かないとき → EAの稼働時間の設定が効かない時の確認ポイント
それでも分からないとき


まとめ
EAの全利確が効かない、1つずつしか決済されない、ナンピンが入らないときの確認ポイントを紹介しました。
まとめ
- 初回のポジションには全利確とは別に TP が付き、ナンピンのポジションには初期値では TP が付かない。不具合ではなく仕様
- 全利確の条件より先に初回の TP に届くと、初回だけが決済され、ナンピンのポジションが残る
- 黄金ガーリックXRV改は TradeTP を 1000 などの大きな値に(0 にはしない)。Exy-Panel ONEは TP Pips を 0 にすると初回に TP が付かない。どちらも、ポジションを持つ時間が長くなりうる
- ナンピンが入らないときは、EAごとの5つの条件を順に確かめる。Exy-Panel ONEは自動売買の許可と、追撃間隔の値も見る


2014年からFXの世界に飛び込み、感情に左右されるトレードの難しさに直面。ITエンジニアとしての経験を武器に、「いかにシステムの力でメンタルと資金管理を安定させるか」をテーマにツール開発を始めました。
MQL4(MT4言語)は独学であり、決して「神業的なコードを書くプログラマー」ではありません。しかし、独学だからこそ、初心者や個人トレーダーがどこで躓き、どんなツールがあれば救われるのかを誰よりも理解している自負があります。
「かつての自分と同じように、感情や管理の難しさで悩むトレーダーが、システムの力を借りて一歩先へ進めるように」
そんな想いで、日々ツールの改良と相場分析に励んでいます。
【実績・外部評価】
・ 大手投資ポータル「GogoJungle」にて特集掲載
注目の開発者として取材いただきました。 👉 取材記事はこちら
・ 自作ツールの累計利用者数 1,000名突破
多機能パネルEA「Exy-Panel ONE」をはじめ複数のツールをリリース。
・ 公式LINE ユーザー数 1,000名超
2019年より運営を開始し、多くの個人トレーダーの皆様に支えられています。
【開発テーマ】
「感情に左右されない、長く相場と付き合える環境作り」
エンジニア視点でのロジック公開と、地に足のついた情報発信を継続中。
