


当研究所には「ある日からEAが新規エントリーしなくなった」というお問い合わせが、同じ形で続けて届いています。この記事では、その原因として最初に確かめてほしい「許容スプレッド」の仕組みと、MT4で自分の口座のスプレッドを確かめて設定を直す手順をまとめます。
こんな方におすすめ
- EAがある日から新規エントリーしなくなった方
- 追撃(ナンピン)は入るのに、新しいポジションだけ持たない方
- チャート右上の顔マークは笑っているのに、取引が始まらない方
- 黄金ガーリックシリーズなど、当研究所のゴールドEAを使っている方
結論:新規だけ止まるなら「許容スプレッド」を先に見る
先に結論をまとめます。
この記事の結論
- 当研究所のEAは、スプレッドが「許容スプレッド」を超えている間、新規エントリーを見送る
- 見送っている間、エラーもメッセージも出ない。チャートの表示も普段どおり
- 追撃(ナンピン)にはこの判定が無いので「追撃は動くのに新規だけ出ない」形になる
- 直し方は、パラメーターの「許容スプレッド」を、いまのスプレッドより少し大きい数字にすること

なぜ新規エントリーだけが止まるのか
当研究所のEAは、新しいポジションを持つかどうかを判断する前に、「いまのスプレッド(買値と売値の差)が、許容スプレッドを超えていないか」を見ています。超えていれば、その瞬間は何もせずに次の値動きを待ちます。
これは、スプレッドが広がっているとき(市場が開いた直後や、重要な経済指標の前後など)に、不利な価格で取引を始めないための安全装置です。
ただし、この判定があるのは新規エントリー(初回のトレード)だけです。EAの中の動きを整理すると、次のようになります。
| EAの動き | スプレッドの判定 |
|---|---|
| 新規エントリー(初回のトレード) | あり(許容スプレッドを超えていたら見送る) |
| 追撃(ナンピン) | なし |
| 全利確・全損切 | なし |


ポジションが全部決済されたあとは、追撃するポジションも無くなるので、EAは完全に止まったように見えます。
許容スプレッド「50」はどれくらいの幅なのか
許容スプレッドの数字は、MT4の価格の最小単位(ポイント)で数えます。何ドルにあたるかは、口座でゴールドの価格が小数何桁まで表示されているかで決まります。
| ゴールドの価格表示 | 1ポイント | 許容スプレッド50は |
|---|---|---|
| 小数2桁(例:4160.62) | 0.01ドル | 0.50ドル |
| 小数3桁(例:4160.625) | 0.001ドル | 0.05ドル |
当研究所が2026年10月9日(日本時間10時台)に、XMのスタンダード口座(リアル口座)でGOLDのスプレッドを見たところ、56でした(売値4160.62/買値4161.18)。この瞬間は、初期値の50のままだと新規エントリーは出ません。


また、価格が小数3桁で表示される口座では、同じ50でも0.05ドルの幅しか許さないことになります。この場合は、初期値のままだと新規エントリーがほとんど出ない可能性があります。
スプレッドは、FX会社・口座タイプ・時間帯によって違います。同じEAでも、ある口座では動き、別の口座では止まるということが起こるのはこのためです。
自分の口座のスプレッドを確かめる方法
MT4の「気配値表示」で、銘柄ごとのスプレッドをポイント単位で見られます。
- MT4のメニューで「表示」→「気配値表示」を開く(キーボードの Ctrl+M でも開けます)
- 気配値表示の一覧の上で右クリックし、「スプレッド」をクリックしてチェックを入れる
- 一覧にスプレッドの列が出るので、EAを動かしているゴールドの銘柄の数字を見る
ここに出る数字が、EAの「許容スプレッド」と同じ単位(ポイント)です。この数字が許容スプレッドより大きい間は、新規エントリーは出ません。

直し方:許容スプレッドの数字を上げる
いまのスプレッドが許容スプレッドを超えていたら、パラメーターの数字を上げます。
- EAを入れているチャートの上で右クリックし、「エキスパートアドバイザ」→「設定」を開く(チャート右上の顔マークをクリックしても開けます)
- 「パラメーターの入力」タブを開く
- 「許容スプレッド」の値をダブルクリックして、数字を入れ直す
- 「OK」を押して閉じる
数字の目安は、気配値表示で見たスプレッドより少し大きい値です。たとえば上の例(56)であれば、70程度にすると、スプレッドが56のときにも新規エントリーの判断に進めるようになります。そのうえで、EAのエントリー条件(RSIや移動平均線など)がそろったときに新規エントリーが出ます。
ただし、許容スプレッドを上げるということは、それだけ広いスプレッド、つまりより不利な価格でも取引を始めることを受け入れるということです。スプレッドは取引のたびに払うコストそのものなので、許容スプレッドを50から70に上げれば、新規エントリー1回あたりのコストもその分だけ大きくなり得ます。


許容スプレッドを変えるときの注意
- 大きくしすぎないでください。許容スプレッドは、スプレッドが広がった時間に取引を始めないための安全装置です。大きくしすぎると、指標発表などでスプレッドが広がった瞬間にも新規エントリーが入り、そのぶん不利な価格から始まります。
- 追撃中のポジションがあるときは、許容スプレッド以外の数字(とくに固定ロット)は変えないでください。次の追撃のロットが大きく変わることがあります。
- 変更は、まずデモ口座や少額のロットで動きを確かめてから本番の口座に入れることをおすすめします。


スプレッドが気になるなら、口座タイプも比べてみる
当研究所のゴールドEAは、XMのスタンダード口座を基準に作っていて、推奨口座もスタンダード口座です。ナンピン系のEAは含み損を抱えて耐える仕組みなので、耐えられる回数は「証拠金がいくらあるか」で決まります。ボーナスで有効証拠金を厚くできるスタンダード口座をおすすめしているのはこのためです。
一方で、スプレッドそのものを抑えたい方は、XMのKIWAMI極口座のように、スプレッドが狭めに設定された口座タイプを検討する方法もあります。ただし、口座タイプによってボーナスの有無などの条件が違います。どちらを選ぶかは、ご自身の運用スタイルに合わせて決めてください。
FX会社・口座タイプの比較
各FX会社・口座タイプのスプレッドやボーナスの違いは、次のページにまとめています。

許容スプレッドの設定があるゴールドEA
当研究所で公開している次のゴールド用EAは、同じ仕組みの「許容スプレッド」を持っていて、初期値は50です(2026年10月時点で、当研究所のソースを確認)。
| EA | 許容スプレッドの初期値 |
|---|---|
| 黄金ガーリックXRV改 | 50 |
| 黄金ガーリックXRV | 50 |
| 黄金ガーリックX | 50 |
ゴールド以外のEAでも、パラメーターに「許容スプレッド」がある場合は同じ考え方です。気配値表示のスプレッドと見比べてください。
それでも新規エントリーが出ないとき
スプレッドが許容スプレッドより小さいのに新規エントリーが出ない場合は、次の設定も確認してください。どれもEAの中で、新規エントリーの前に見ている条件です。
- 「初回トレードの時間制限」を true にしていて、いまが稼働時間の外になっている(初期値は false=時間制限なし。時間はMT4の時間で数えます)
- 「最大同時買いエントリー数」と「最大同時売りエントリー数」の両方に、買い・売りのポジション数が達している
- エントリー条件(RSIや移動平均線など)がそろっていないだけ(相場の状態によっては、しばらく条件を満たさないことがあります)
EAそのものが動いているかどうか(MT4の起動・回線・自動売買の許可・顔マークなど)は、MT4のEAが動かない・稼働しない時の対処法6選で順番に確認できます。


まとめ
EAが新規エントリーしなくなったときに、最初に確かめてほしい「許容スプレッド」について紹介しました。
まとめ
- スプレッドが許容スプレッドを超えている間、EAは新規エントリーを見送る(エラーは出ない)
- 追撃や決済には判定が無いので、新規だけ止まったように見える
- MT4の気配値表示で「スプレッド」を出し、自分の口座の数字を確かめる
- 許容スプレッドを、いまのスプレッドより少し大きい数字にする(大きくしすぎない)


2014年からFXの世界に飛び込み、感情に左右されるトレードの難しさに直面。ITエンジニアとしての経験を武器に、「いかにシステムの力でメンタルと資金管理を安定させるか」をテーマにツール開発を始めました。
MQL4(MT4言語)は独学であり、決して「神業的なコードを書くプログラマー」ではありません。しかし、独学だからこそ、初心者や個人トレーダーがどこで躓き、どんなツールがあれば救われるのかを誰よりも理解している自負があります。
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