こんな方におすすめ
- EAのナンピンタイプと1ポジションタイプ、どちらを使うべきか迷っている方
- 自動売買のナンピンタイプって何?というFX初心者の方
- これからEAでの自動売買を始めようと思っている方
FX自動売買用のEAは世界中に沢山出回っています。
EAには色々な種類や特徴があるのですが、トレードする際のポジションのとり方として比較されるのが、「ナンピンタイプ」と「1ポジションタイプ(ワンポジ)」です。
ナンピンタイプ、1ポジションタイプのEAはどのようなFX取引手法か知る
ナンピン、1ポジションはEAでのFX自動売買に限らずFXトレード全般の取引にも通じますので、まずはそれぞれの特徴を把握しましょう。
ナンピンタイプとは
まずナンピンとは、最初に取引を開始した価格からレートが逆行した時に追加でトレードをしてポジションを増やしていくことです。
同一方向に、追撃してエントリーしていく形になります。
ナンピンタイプのEAの中でも、開発者の想定によって以下のようなオプションがついている場合があります。
ナンピンタイプEAの例
- 決まったpipsが取引開始した価格から逆行した時に同一方向にエントリー。pipsをナンピン回数により可変したり、時間要素を入れたり。
- ナンピンによる追加ポジションのロットを大きくする(マーチンゲール法などの資金管理手法)
- 初回取引のポジションとナンピンした全ポジションを合計してプラスになっていれば、全て決済して利確する
- ナンピンはするが1つ1つの決済は独立させる
単純にナンピンタイプといっても、初回のエントリーポイントの条件などが作り込まれているEAから、ランダムでエントリーされるEAなど様々です。
エントリーの為のロジックや、資金管理法、ナンピンをどのように行うかなど、作り込まれたタイプが多い印象です。
1ポジションタイプとは
1ポジションタイプのEAとは、一般的にはその名の通り1ポジションしかエントリーをしないEAのことを指します。
または、複数のポジションを持つが「ナンピン型ではない」タイプのEAのことを指す場合もあります。
純粋に取引開始と決済部分について作り込まれたEAのことです。
ナンピンタイプと1ポジションタイプがどのようなタイプか概要を知ったところで、実際にメリット・デメリットについて抑えておきましょう。
ナンピンEAのメリット・デメリット
ナンピンEAのメリット
ナンピンタイプのEAのメリットで抑えておきたいのは以下の3点です。
初回のエントリーよりも不利な位置でトレードを追加することで、全体として平均取得単価が下がる
ナンピンという手法自体の最も大きなメリットとしては、平均取得単価が下がるということです。
こちらのチャートはUSDJPYの1時間足です。
①の109.900円で売りエントリー。その後②~④で同じロットで合計4つ売りエントリーをした場合、平均すると110.050で4ロット売りエントリーをすることと同じになります。
マーチンゲール手法等を取り入れて取引ロットことで1つの局面での利益を積み上げやすい
FX研究所内でナンピンEAの代表として人気が高いRobo-Destroyは、ナンピンにマーチンゲール手法を取り入れているEAです。
マーチンゲール法などでナンピンをしていく際の追撃トレードのロットを増やしていくと、相場が逆行して発生している含み損を一気にまくり、オープン中のトレードの合計損益がプラスになった時点で全てのトレードを決済することによって、最初のポジションが負けていてもトータルでプラス収支に持っていくことが可能となり、上記のような損益グラフを描くことが可能になります。
デメリットは後ほど紹介するが、リスクを取る分収支をプラスに持っていきやすいという面はあるということじゃな。
トレード回数が多いEAを作りやすいのでトレーダー目線は楽しさはある
メリット2点目で紹介したマーチンゲール法などを組み合わせることで、初回のエントリーポイントを多少甘くして力技で収支をプラスに持っていきやすいという側面がある為、トレード回数が多いEAが目立ちます。
Robo-Destroyは5分足(短期足)で利用するように初期設定は調整していますが、ほぼ毎日何かしらトレードはされます。
ナンピンEAのデメリット
ナンピンタイプのEAはメリットだけ見るととても素敵に見えますが、当然デメリットもあります。
レンジ相場と相性がいいが強いトレンド相場には弱い
ナンピン型は、ある程度の価格幅で行ったり来たりする相場とは相性が良いです、逆にその許容範囲を越えてレートが動くトレンド相場には弱い傾向があります。
こちらのチャートは先程と同じくUSDJPYの1時間足です。
①の108.800円で売りエントリー。その後反転を待ちながら②~⑧で同じロットで合計8つ売りエントリーをしましたが、上昇トレンドが強くどんどん相場はエントリー方向と逆行してしまってマイナスは膨れ上がってしまいます。
ロジックによっては一度に資金を失ってしまうリスクがある
上のチャートで紹介している通り、強いトレンドが出来た場合などどんどんマイナスは膨れていきます。
もちろんそれぞれのEAのロジックにより耐えられる幅や、中には損切をしてくれるナンピン型のEAもありますが、基本的にナンピン型のEAは一度に大量の損失を出す場合があるので覚えておきましょう。
こちらは、トレード回数を増やしマーチンゲール法を駆使したハイリスクハイリターンに振り切ったナンピンタイプEAの設定例です。
相場とマッチすれば、2ヶ月ほどで資金が5倍になるようなリターンも見込めますが、反面強制ロスカットのリスクも高まります。
資金調整やマーチンゲール乗率、ナンピン幅などデリケートな調整が必要
ナンピンタイプは、性質上1ポジションタイプとも比べて資金調整も難しいところがあります。
ある意味、FX口座内の資金をリスクと考えればよいのでわかりやすくもありますが、ある程度利益が出たら出金するのがいいでしょう。
無限に資金があれば、FX口座内の証拠金を増やしてなんとかなるのがナンピンタイプではありますが、実際私達FXトレーダーはそうはいきません。
最悪の場合証拠金がすべて無くなる可能性があるのがナンピンタイプのEAだと覚悟して、そのリスクを理解した上で動かすのがいいと言えるでしょう。
1ポジションEAのメリット・デメリット
1ポジションEAのメリット
証拠金が少ない状態でも利用できる
1ポジションしかエントリーしないこともあるので含み損が少なく、1回のトレードに負けたとしても1度では大きな損失はなりません。
その為、少ない証拠金でもEAを利用することができる為、資金的に余裕がない方にとっても利用がしやすいEAといえます。
こちらは、FX研究所内の1ポジションEA、Exy-2 thirdの収支推移です。
トレードロットを資金に合わせて決定する「複利」タイプの機能がついているEAであれば、利益が積み上がっていくほどリターンが増えていく、といった設定にすることも可能です。
ナンピンタイプと比べて強制ロスカットなどのリスクが少ない
ナンピンタイプとの比較になってしまいますが、1ポジションタイプのEAのほうが1回のトレードに対してのリスクは少ないといえます。
1ポジションタイプのEAの場合、大半は自動で損切りする機能がついていますので、仮にエントリーをしてから価格が反対に動いたとしても、強制ロスカットにはならず少ない損失でその局面を乗り切ることができます。
1ポジションEAのデメリット
収支が安定するまでに時間がかかるケースが多い
1ポジションタイプのEAは、基本的に相場状況に合わせたロジック頼みとなってしまう部分もありますので、収支が安定するまでに時間がかかるケースが多いです。
ナンピンタイプではなくポジションを複数持つタイプや、小さな時間足で沢山トレードを行うことが可能なEAであれば、結果が収束してくるまでの時間は少なくなるといえます。
短期で強制ロスカットのリスクは少ないが、負けが続くと最終的には資金を失う
ナンピンタイプに比べて強制ロスカットのリスクが少ないというメリットはあるものの、結局の所相場状況に合わないなどが続けば、マイナス収支のトレードが積み重なって最終的には証拠金を失う事になってしまうという可能性ももちろんあります。
特に1ポジションタイプのEAは、レンジ相場やトレンド相場などの相場特性にあったものやバックテスト、フォワードテスト(実際に今の相場で動かしている)結果などを見て、利用するかを検討するといいでしょう。
まとめ
ここまでナンピンタイプのEAと1ポジションタイプのEAそれぞれの特徴、メリット・デメリットについて紹介してきました。
最も大事なのはそれぞれの特徴を理解した上で、1つに全力投球せずにバランス良くEAを使って行くことかと思います。
FX研究所内のEAは過去の平日24時間稼働しっぱなしでのバックテスト結果やフォワードテストを公開していますが、EAによっては相場状況を見た上で稼働するものを選定するというのも1つの選択肢ともいえるでしょう。
EA選びをしていく上で、こちらの有料EAと無料EAの違いも参考にしてみてください。
ナンピンタイプと1ポジションタイプのメリット・デメリット まとめ
- ナンピンタイプと1ポジションタイプで、どちらが良いEAかは一概にいえない。メリット・デメリットを鑑みて利用すること
- どちらのEAを使うにしても資金管理を意識することは重要
- 相場状況によって、EAの成果は変わってくる。EAのタイプを見極めて使用するべし。複数のタイプの違うEAを動かすことは効果的
ナンピン型とワンポジ型についてのまとめ
ナンピン型とワンポジ型のメリットとデメリットについて解説してきましたが、もちろんどちらが良いどちらが悪いと言うわけではありません。
稼働させる本人が、それぞれの特徴を把握したうえで使わないと効果が最大限に発揮できません。
EAだから回しっぱなしで良いと考えておられる方も居ますが、資金管理や危機管理を持って稼働させないと、どちらのタイプのEAを使っても最後は破産する確率が高いと思います。
最後になりますが、どちらのEAを使えば良いかの判断として、
こんな方におすすめ
ナンピン型 資金が豊富で利益をこまめに出金できる方
ワンポジ型 資金が少なく長期での複利運用が目的の方
ただどちらも大前提として、優秀で実績のあるEAを使う事をオススメします。
以上、参考になれば幸いです。
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