こんな方におすすめ
- FXのパーフェクトオーダーについて勉強したい方
- トレンド方向にエントリーする為の判断基準を探している方
- 移動平均線の使い方を探しているFX初心者の方
パーフェクトオーダーとは複数の移動平均線の方向が揃った状態のこと
パーフェクトオーダーは、FXだけでなく仮想通貨や株式取引など、チャートを分析するようなトレードでよく使われる用語です。
MT4やTradingView、FX会社が提供しているトレードツールなど、チャート分析ソフトに入っているインジケーターである移動平均線を複数使い、それぞれの移動平均線の位置関係と順番が揃った状態のことを言います。
パーフェクトオーダーのポイント
- 大きなトレンドが発生した際にパーフェクトオーダーがチャート上に発生する
- パーフェクトオーダーが発生しても、必ずしもトレンドができているわけではない
パーフェクトオーダーはレンジ相場でも出現することがありますので必ずしもトレンドができているとは言えませんが、大きく長いトレンドが発生する際にチャート上に出現することが多いです。
パーフェクトオーダーを意識しているFXトレーダーは多く、移動平均線の位置関係が崩れない=トレンドが継続するというサインとして利用されています。
下降トレンド時のパーフェクトオーダー例
下降トレンド時のパーフェクトオーダーのイメージは以下の図のようになります。
MT4上に3本の移動平均線を表示したものです。
(例)
- 短期:20日移動平均線
- 中期:52日移動平均線
- 長期:200日移動平均線
下降トレンドパーフェクトオーダーのポイント
- 短期移動平均線 < 中期移動平均線 < 長期移動平均線の位置関係になっている
上昇トレンド時のパーフェクトオーダー例
上昇トレンド時のパーフェクトオーダーのイメージは以下の図のようになります。
上昇トレンドパーフェクトオーダーのポイント
- 短期移動平均線 > 中期移動平均線 > 長期移動平均線の位置関係になっている
パーフェクトオーダーの移動平均線の設定と見方
パーフェクトオーダーでは、短期・中期・長期の移動平均線が、トレンド方向に沿って同じ並びになります。
各移動平均線の向きが揃っている=長期、中期、短期それぞれが同じ方向を向いていて、短期になるほどトレンド方向への動きが強まっている、直近のローソク足に敏感に反応するということになります。
パーフェクトオーダーで利用する移動平均線は3本が見やすくよく使われていますが、4本、5本以上にして更に条件を絞っていくのも1つの方法です。
今回は3本の際、利用する移動平均線の目安を紹介します。
パーフェクトオーダーで使う移動平均線の期間
パーフェクトオーダーで利用する3本の移動平均線で設定する期間に正解はありません。
ただし、期間が近すぎると判断材料として弱い部分がありますので、短期・中期・長期とある程度期間を離して利用するのが一般的です。以下は、MT4の移動平均線(Moving Average)インジケーターの設定画面です。
参考
短期の移動平均線でよく使われる期間:5、10、14、20、21
中期の移動平均線でよく使われる期間:50、52、60、75
長期の移動平均線でよく使われる期間:100、144、169、200
3本使う場合は、上記の短期・中期・長期を組み合わせて利用するのがいいでしょう。
とはいえ、どの期間を使うにしても結局は相場次第ということになり、100%最適はコレ!というものはありません。
パーフェクトオーダーで使う移動平均線の種類
移動平均線にはさまざまな種類が存在しますが、多くのFXトレーダーに使われているのは以下2種類です。
- 単純移動平均線(Simple Moving Average:SMA)
- 指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average:EMA)
パーフェクトオーダーを中心に投資するならどちらが良いのか?というところですが、結論からいえば、ご自身のお好みでになります。
SMAのほうが計算がシンプルであり、各チャート分析ソフトの初期設定で使う場合はSMAになることから利用者も多いと推測します。
SMAとEMAの簡単な特徴は以下のとおりです。
単純移動平均線(SMA)
SMAは設定した期間の平均値を単純に結んだラインのことです。たとえばSMAを20日に設定した際は、直近20日間の終値の合計をその日数(20)で割って平均値を算出します。
SMAは一定期間の平均価格から求めた数値をもとにした移動平均線ですので、直近に大きな変動があったとしても、期間内の値で平均することになります。
トレンドの方向性や強さがある程度安定してわかりやすく計算も単純ということで、多くの投資家に利用されています。
ただし過去の価格と現在の価格の比重が同じ為、「トレンドの転換点がわかりづらい」というデメリットもあります。
指数平滑移動平均線(EMA)
EMAは個々の価格データへの加重を指数関数的に減少させることによって平均値を計算しラインを結んだ移動平均線です。SMAと同じく20日に設定した場合などは、過去の19本より1本の終値を重視してラインが表示されます。
EMAは過去の値動きよりも、直近の値動きに比重を与えることによって、最近のトレンドをより反映させたラインを引くことが可能です。
SMAよりもトレンドの転換点を見つけやすい、反応し易いインジケータといえますが、直近の値動きを重視していることからちょっとした値動きのダマしに反応しやすいともいえます。
上記を踏まえて、自分のトレードで利用したい方を選択するのがいいでしょう。
FXのパーフェクトオーダーのメリット
FXでパーフェクトオーダーを意識することによるメリットであり、人気の理由は以下の3つが挙げられます。
- トレンドを意識することに繋がる
- シンプルに相場の状況を判断することができる
- 色々な通貨ペアで利用することができる
トレンドを意識することに繋がる
パーフェクトオーダーは、パッとみただけでトレンドが掴めることが大きな特徴です。
トレード初心者の方でも、難しい判断が必要なく、ひと目でトレンドの方向、相場の状況が確認できます。
FXだけでなく、投資において相場の流れであるトレンドを意識することが非常に重要になります。
現在がトレンド相場なのかどうか。レンジ相場なのか。
相場の現状認識を行うことが、裁量トレードで勝ち、利益を出すために必要な要素の1つです。
しかしFX初心者にとって何をもとに相場の現状を判断をすればよいのかわからず、なんとなく相場が動いたからエントリーしてしまう、などで損失を出してしまうこともあるでしょう。
パーフェクトオーダーは、3本が同じ順番で並んでいるというシンプルなルールなので、パーフェクトオーダーなのかわからない・・・と迷うケースが無いというのも良いですね。
シンプルに相場の状況を判断することができる
パーフェクトオーダーは、3本以上の移動平均線の並び方を見る、シンプルな方法です。
FXを始めたばかりの際、ローソク足の形状を覚えるのが難しい、どういったローソク足が続くとどんなパターンなのかわからない、一体何を基準に相場を判断すればいいんだろう・・・など、頭がパンクしそうになる事もあるでしょう。
実際、ローソク足は形状長さ、やプライズアクションと言われるローソク足の動き方等複雑であり、情報量がとても多いです。
リアルタイムで常にローソク足は更新されていきますし、多数のローソク足からトレードのルールを作る上で簡単とは言えません。
そのような中で、シンプルに移動線とパーフェクトオーダーに着目することで、相場の環境を把握できるのはメリットと言えます。
パーフェクトオーダーのみに焦点を絞るルールにした場合など、そういった悩みや葛藤にとらわれず、メンタルが摩り減る状況を減らすことはできます。
チャートの動きに翻弄されず、全体像を捉えやすくなるので、資金管理やその他の部分に思考を集中できるともいえますね。
パーフェクトオーダーが出ているのか、それ以外か、というシンプルな基準。
パーフェクトオーダーは、
視覚的に明確である=シンプルかつ意識されている=世界中のトレーダーがみても共通認識になる=トレードに使われる
強めの判断基準だと言えそうです。
色々な通貨ペアで利用することができる
FXで取り扱われる外貨の通貨ペアだけでなく、仮想通貨や株式など様々な投資で活用できるのもパーフェクトオーダーのメリットの1つです。
投資家の間で最も多く利用されているインジケーターである移動平均線を用いた手法であることもあり、価格の変動幅の大小や特定時間帯を気にしたりせず、相場を分析する上で利用することが可能です。
通貨ペアによっては、ファンダメンタルズ分析のウェイトが高かかったり、有効なインジケーターが変わったりする為、通貨を跨いで利用できる手法はなかなかありません。
その点、パーフェクトオーダーは細かい設定なしにトレンド判断に使える為、初心者でも相場分析に活用できるシーンは多いと言えます。
FXのパーフェクトオーダーのデメリット
FXでパーフェクトオーダーを意識することによるデメリットには以下2つが挙げられます。
- パーフェクトオーダーだからといって、必ずしもトレンドとはいえない
- パーフェクトオーダーの発生頻度は高くない
パーフェクトオーダーだからといって、必ずしもトレンドとはいえない
強く、大きなトレンドが発生すると、移動平均線は性質上同じ方向に揃って行き、パーフェクトオーダーが発生します。
しかし、パーフェクトオーダーが発生したからといって、必ずしも強く大きなトレンドが発生しているとはいえません。
例えば以下のようなケースです。
このように、パーフェクトオーダーの状態になったとしても、それぞれの移動平均線がすぐに交差。
レンジ相場になり売りと買いの拮抗が続くケースや、逆に反転してしまうケースがあります。
パーフェクトオーダーの発生頻度は高くない
パーフェクトオーダーは、性質上頻繁に発生するわけではありません。
裁量トレードでチャンスの枠を広げたい場合は、色々な通貨ペアで共通して利用できるというメリットを活かし、複数の通貨ペアでパーフェクトオーダーを探すというのも1つの手段です。
パーフェクトオーダーが出るのを待つのも1つ。
FX研究所では、パーフェクトオーダーが発生した場合にエントリーができ、様々な通貨ペアで利用可能、カスタマイズ可能な自動売買用EAを公開しています。
現在最終調整中のため、公開しましたら以下のページにUP予定です。
パーフェクトオーダーは仮想通貨や株式でも有効
パーフェクトオーダーは仮想通貨でも利用可能です。
以下はBybitのMT4で表示した仮想通貨リップルのXRP/USDTの1時間足チャートです。
仮想通貨はEUR/USD(ユーロドル)やUSD/JPY(ドル円)などのFXのメジャー通貨と比較しても、トレンドが続きやすい傾向にある為、パーフェクトオーダーはより有効と言えるでしょう。
MT4で仮想通貨のパーフェクトオーダーを表示したい・分析したい際は、以下の海外FX業者であるTitanFXのMT4や仮想通貨取引所BybitのMT4など利用可能です。
パーフェクトオーダーを利用したチャートのエントリーポイント
パーフェクトオーダーを利用したトレードは色々あると思いますが、代表的なものを2つ紹介します。
基本的に、パーフェクトオーダー時は、トレンド方向にトレードすることをおすすめします。
パーフェクトオーダー発生後、押し目買い、戻り売りを狙う
動きのないレンジ相場から徐々に各移動平均線が右肩下がりになってきてパーフェクトオーダーが発生したケースです。
パーフェクトオーダーが継続している状況を強いトレンド発生中とし、トレンド方向にエントリーするポイントを探します。
- 移動平均線がトレンドライン(抵抗)になりやすい
- パーフェクトオーダーを維持しようとする勢力あり
トレンド方向にエントリーする為、戻してきたタイミングを狙っていきます。
移動平均線はトレンドラインとして機能しやすく、力なく移動平均線に沿って価格が推移していたり、戻してきて移動平均線にタッチしたところでエントリーするなどが主流です。
トレンドができはじめの最初のタッチなどは、トレンドに乗りたいトレーダーと損切りしたいトレーダーが取引を行う事になり、よりトレンドが加速していく傾向がありますが絶対ではありません。
ポジションの決済タイミングは、逆方向にパーフェクトオーダーが発生した時。一定以上の利益が上がった時、短い期間の移動平均線が中期、長期の移動平均線とクロスした時、他のテクニカル分析から判断など、色々と応用はできそうです。
パーフェクトオーダー発生時を狙う(ゴールデンクロス、デッドクロス)
もうひとつが、パーフェクトオーダーが発生したタイミングを狙うケースです。
3本以上の移動平均線が、同じ方向に向かっていく形になる場合、必ずいずれかの移動平均線がクロスすることになります。
注意点としては、クロスのタイミングですでに大きく動いてしまっていることがあること。
そして、パーフェクトオーダーのデメリットでも説明した通り、パーフェクトオーダーが発生したからといって、必ずしも強く大きなトレンドが発生しているわけではないということです。
うまくいけばパーフェクトオーダーの初動でエントリーできるため、大きなトレンドにのり利益を伸ばせる理想的な展開になりますが、レンジをブレイクしたなど他のエントリー根拠も合わせて判断していくのがよさそうです。
FXのパーフェクトオーダーとは? まとめ
FXだけでなく、仮想通貨、株式でも利用されているパーフェクトオーダーについて、使い方・見方、上昇トレンド、下降トレンドの例、設定する値やトレード時の参考エントリーポイントについて紹介・解説しました。
まとめ
- パーフェクトオーダーは大きなトレンドが発生した時にチャート上に発生する
- 短期、中期、長期の移動平均線の位置関係によってパーフェクトオーダーを判断する
- FX初心者にとってパーフェクトオーダーはメリットが多い
- トレンドに逆らったトレードは極力行わず、トレンドフォロー型のトレードがおすすめ
FX研究所では2019年から2020年、2021年、2022年とオリジナルのFX自動売買用EAやシグナルでエントリーポイントを表示するツールなどを作成し無料公開しています。
以下の記事で紹介していますので自動でどのような取引ができるのか見てみてください。
また、FXを始めたばかりの初心者が知っておきたい基礎の知識など、できるだけ画像を使ってブログ記事にしていますので、色々見てみてください。