こんな方におすすめ
- FXの利益でパソコンの購入を考えている方
- トレード用のパソコンやスマホ、タブレットを経費にしたい方
FXで裁量トレードを行う際のチャート分析や、EAを利用した自動売買を行っていくうえで、FX専用のパソコンがあったほうがトレードの効率があがりますし、長い目で見て大きなメリットがあります。
ただ、パソコンを購入するためにはそれなりの資金が必要です。
しかし、FXで得た利益の「経費」として、パソコンの購入費用などは計上することが可能です。
今回は、FXでパソコンやスマホ、タブレットを経費計上するうえでの基礎知識や、それ以外にも経費になる可能性があるものについて紹介してきます。
FXでパソコンを経費計上をするうえでの基本知識
FX投資を行う上で、パソコンやインターネット接続費などの経費は、経費計上をすることで税務上の優遇措置を受けることができます。
しかし、FX初心者や経費の知識がない人にとっては、経費計上についての基本知識が必要です。
FXで得た利益からパソコンの費用を経費の計上していくうえで、まずは基本的なことを抑えておきましょう。
経費計上とは?
FXの経費計上とは、FX取引において、パソコンやタブレット、スマホなどのデバイスの使用料やインターネット接続費などの経費を事業費として計上することを指します。
利益を出すために利用した経費(=支出)となりますので、利益は減少し、結果的に税金の節税効果が期待できます。
FX=業務と考えたときに、FXを行ううえでかかった費用や、利益を出すためにかかった費用が「経費」として認められる可能性があります。
逆に、利益を得るために使った支出以外は経費にはなりません。
経費計上のメリットとデメリットとは?
一般的に、経費計上のメリットとしては、以下のような点があります。
経費計上のメリット
税金の節税効果:経費として計上することで、利益が減少し、税金の計算対象となる所得が減るため、税金の節税効果が期待できます。
実費の回収:FXで使用するパソコンやインターネット接続費などの経費を正確に計上することで、実際にかかった費用を利益から回収することができます。
事業費の明確化:経費を計上することで、事業費として明確に認識され、事業の収益と費用を正確に計算できます。
一方、一般的な経費計上のデメリットとしては、以下のような点が考えられます。
経費計上のデメリット
計上基準の厳格化:経費計上には厳密な基準があり、正確な記録や証憑の保持が求められます。
利益の減少:経費として計上することで利益が減少し、税金の節税効果がある一方で、事業の利益が減るため、事業全体の収益に影響する可能性があります。
利益の減少は、事業を行っているケースの場合なので、個人FXトレーダーにはあまり関係はなさそうですが、経費を申告する上で記録を取らなければならないというのは面倒な作業ですので、わかりやすいデメリットです。
海外FXは雑所得!経費計上の期限と繰越について
経費の計上には期限や繰越の取り扱いについても注意が必要です。
特に、海外FXの場合は、雑所得として扱われるため、経費の繰越は当年のみが認められます。
海外FXの場合、経費を計上する際には、収益金額から経費を差し引いた金額が課税対象となります。
しかし、経費の繰越については、雑所得として扱われるため、当年度内にしか繰越することができません。
つまり、年度末に経費を繰越してしまうと、次年度には繰越することができず、経費の計上ができなくなってしまいます。
そのため、海外FXを行う際には、経費の計上や繰越についての期限を理解し、適切に取り扱うように注意しましょう。
経費の繰越を逃すと、本来計上できるはずの経費を活用できなくなってしまい、不必要な税金負担を招く可能性があります。
正確な記録の保持と適切な期限の把握を行い、効果的な経費計上を実践しましょう。
FXで経費計上の対象となるパソコンやタブレット、スマホの条件
パソコンやタブレット、スマホを経費に計上する際には、以下の条件を満たす必要があります。
パソコンやタブレット、スマホを経費に計上するための条件
取引目的での利用があること: パソコンやタブレット、スマホを経費に計上するためには、FX取引などの業務目的での利用があることが求められます。
プライベート利用のみである場合には経費計上が認められないため、取引目的での利用が必要です。
利用割合に応じた按分計算を行うこと: パソコンやタブレット、スマホを経費に計上する場合、利用割合に応じた按分計算を行う必要があります。例えば、パソコンを取引目的で50%、プライベート利用で50%使用している場合には、取引目的の50%のみを経費として計上する必要があります。
経費の合理性があること: 経費の合理性があることも条件となります。業務遂行に必要な範囲内であること、一般的な業界の慣習に従っていることなどが考慮されます。
過度な金額や不必要な機能を含む場合には、経費計上が認められない可能性があります。
対象パソコンやタブレット、スマホの制限や注意点
経費として計上するパソコンやタブレット、スマホの購入価格が10万円以上の場合には、消耗品としての経費計上ができず、減価償却が発生してしまいます。
これにより、年内に形状を終える難しさがありますので、できるだけ10万円未満に抑える方がよいでしょう。
とはいえ、10万円以上のパソコンが必要な場合は当然あると思うので、その場合は減価償却(4年)または一般償却(3年)として、分割して毎年経費として計上していくイメージになります。
以上のように、FXで経費計上するためには取引目的での利用、利用割合の按分計算、経費の合理性の確認が必要であり、また対象デバイスには10万円以上の場合の減価償却などの制限や注意点が存在します。
適切な経費計上を行い、税務や会計のルールを遵守することが重要です。
経費計上の方法と手続き
経費の計上方法と手続きは、会計ソフトのマネーフォワードやExcelを使った方法があります。
以下にそれぞれの方法のステップをご紹介します。
少額の利益の場合はマネーフォワードなど使わなくてもよいと思いますが、長期で利益を出していきしっかりと経費などを保存していきたい場合などは早い段階で活用を検討するのもよいかもしれません。
経費計上の方法と手続きのステップ
マネーフォワードを使った経費計上のステップ
こちらはあくまでも概要の手順です。
マネーフォワードには無料トライアルなどもありますので、実際の操作は直接公式サイトを確認してみることをおすすめします。
- マネーフォワードのアカウントを作成し、ログインする。
- 経費のカテゴリや項目を設定する。例えば、飲食費、交通費、書籍代などのカテゴリを設定し、項目を追加する。
- 経費の入力を行う。日付、金額、カテゴリなどを入力して経費を記録する。必要に応じて領収書の写真を添付することもできる。
- 経費の合算や集計を確認する。マネーフォワードの機能を使って、経費の合計やカテゴリごとの経費額を確認することができる。
- 税務申告の準備をする。マネーフォワードの機能を使って、経費の申告書類を作成し、税務申告を行うことができる。
Excelを使った経費計上のステップ
Excelで経費をまとめる場合、インターネット上で「Excel 経費 テンプレート」と検索すると無料でExcelファイルが入手できます。
ご自身で利用しやすいものを使うとよいでしょう。
- Excelの経費テンプレートを使い、日付や項目名、金額などを入力する。
- 経費の記録と整理をする。Excelを使って経費を記録し、データを整理する。日付や項目名、金額などを入力し、必要に応じてカテゴリ分けを行う。
- 経費の合算と集計をする。Excelの関数を使って、経費の合計やカテゴリごとの経費額を集計する。これにより、経費の総額やカテゴリごとの経費額を把握し、経費の傾向や分析を行うことができる。
- 税務申告の準備と申告をする。Excelの集計データをもとに、経費の申告書類を作成し、税務申告を行うことができる。
- 必要に応じて、税務署の指示に従い、必要な書類を添付するなどの手続きを行う。
記録の取り方と整理のポイント
経費の記録の取り方と整理のポイントは、マネーフォワードとExcelで異なることがあります。
以下にそれぞれの方法のポイントをご紹介します。
マネーフォワードの記録の取り方と整理のポイント
カテゴリや項目を事前に設定する: マネーフォワードでは、事前に経費のカテゴリや項目を設定することができます。
これにより、経費を入力する際にカテゴリや項目を選択することができ、後での集計や分析がしやすくなります。
領収書の写真を添付する: マネーフォワードでは、経費の入力時に領収書の写真を添付することができます。これにより、後で領収書を探す手間を省き、経費の傾向や分析を正確に行うことができます。
経費の合算や集計が自動で行われる: マネーフォワードでは、経費の合算や集計が自動で行われます。これにより、経費の総額やカテゴリごとの経費額を確認しやすくなります。
Excelの記録の取り方と整理のポイント
テンプレートを利用する: Excelでは、あらかじめ用意された経費の記録用テンプレートを利用することができます。
これにより、記録のフォーマットを統一し、後での集計や分析をしやすくなります。
日付や項目名、金額を正確に入力する: Excelでは、経費の記録を自分で入力するため、日付や項目名、金額を正確に入力することが重要です。入力ミスを避けるために、入力の際には慎重に確認するようにしましょう。
関数を使って集計をする: Excelでは、関数を使って経費の合算や集計を行うことができます。関数をうまく活用し、経費の集計を効率化することができます。SUM関数やAVERAGE関数を使って経費の合計や平均を計算したり、FILTER関数やピボットテーブルを使ってカテゴリごとの経費額を集計したりすることができます。
経費の計上方法と手続きについて、マネーフォワードとExcelを比較してご紹介しましたが、マネーフォワードは、クラウド上で経費を入力・管理し、自動で合算や集計が行われる便利なツールです。
一方、Excelは自分で記録を入力し、関数を使って集計を行うことができます。
どちらを選ぶかは、自社のニーズや業務の規模、スタッフのスキルレベルに合わせて検討する必要があります。
また、記録の取り方と整理のポイントについても異なります。マネーフォワードでは事前にカテゴリや項目を設定し、領収書の写真を添付することができます。
一方、Excelではテンプレートを利用し、関数を使って集計を行うことがポイントです。
いずれの方法を選んでも、経費の正確な記録と整理は重要です。税務署の指示に従い、必要な書類を添付し、法律や会計基準を遵守するようにしましょう。
経費の適切な計上と手続きを行うことで、企業の経営の健全性を保ち、税務申告や監査などの際にスムーズな対応ができるようになります。
FXの確定申告は税理士に依頼するのがおすすめ
FXの確定申告は専門的な知識や経験が必要なため、税理士に依頼するのがおすすめです。
税理士に依頼することで、専門的なアドバイスや最適な節税対策を受けることができ、確定申告の手間やリスクを最小限に抑えることができます。
ただし、適切な情報の提供や確定申告期限の遵守、費用の留意などに注意し、税理士に依頼する際には信頼性のある専門家を選ぶようにしましょう。
大手の税理士紹介サイト税理士ドットコムなど、無料で相談にのってもらえます。
税理士に依頼するメリット
もちろん、FXで出した利益の金額にもよりますが、下手に自分で確定申告や経費計上を行うよりも、プロの知見によって得になるケースがあります。
専門的な知識や経験を活用できる
FXの確定申告は複雑な税法や会計基準に基づいて行われるため、専門的な知識や経験が必要です。
税理士は税法や会計基準に詳しい専門家であり、正確な確定申告を行うために必要な情報や手続きを理解し、効率的に対応することができます。
また、税務調査や申告漏れのリスクを最小限に抑えるための対策も講じてくれます。
時間や手間を節約できる
FXの確定申告には膨大な情報や書類の準備が必要であり、煩雑な手続きが伴います。
税理士に依頼することで、自分での情報収集や書類作成、申告書の作成などの手間を節約することができます。
また、確定申告期限に間に合わせるためのスケジュール管理も税理士にお任せすることができます。
最適な節税対策を実施できる
税理士は税法や会計基準の最新の情報を持っており、最適な節税対策を提案してくれることがあります。
自分での確定申告では見落としてしまうような節税のポイントや優遇措置を活用することで、効果的な節税を実現することができます。
確定申告における注意点
- 適切な情報の提供が必要
税理士に依頼する場合には、適切な情報の提供が必要です。FX取引の取引履歴や収益の情報を正確に伝えることで、確定申告書の作成や申告に関するアドバイスを受けることができます。情報の漏れや誤りがあると、申告漏れや申告不備のリスクがありますので、十分に情報を整理し、税理士に正確に伝えるようにしましょう。 - 確定申告期限に間に合わせる必要がある
確定申告には厳格な期限が設定されており、期限を過ぎると遅延税や罰金が課せられる可能性があります。税理士に依頼する場合でも、申告書の作成や手続きには一定の時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを考慮し、確定申告期限に間に合わせるようにしましょう。 - 費用がかかることに留意する
税理士に依頼する場合には、一定の費用がかかることに留意する必要があります。税理士の料金は事務所や地域によって異なりますので、事前に確認しておくことが重要です。
ただし、適切な税務対策や節税効果を考慮すると、税理士に依頼することで得られる経済的メリットがある場合がありますので、費用対効果を考慮しましょう。
パソコンやスマホ以外にFXで経費にできる可能性がある費用
パソコンやスマホ以外にFXで経費にできる可能性がある費用を紹介します。
基本的に、「FXで利益を出すためにかかった費用」と考えていきましょう。
FXで経費に計上できる費用の例
FX取引においては、経費として計上することができる費用が存在します。以下に、一般的な例をいくつか紹介します。
ディスプレイなどパソコンの周辺機器
FX取引を行う上で、MT4やTradeViewなどでのチャート監視や分析が必要になりますが、チャートを映すためにはディスプレイが必要です。
- ディスプレイ
- ノートパソコンに接続するためのディスプレイケーブル
- 複数のディスプレイを設置するためのモニターアーム
- FXトレードで利用する机や椅子
など、複数のディスプレイを利用して、チャートを表示している場合は、経費として認められる可能性が高いです。
インターネット回線費用
NTTやAUなどの光回線等の費用や、プロバイダ費用など、インターネット環境に接続するための費用も、経費として申告できる場合があります。
トレード専用で回線を準備したなどの場合は、全額経費として認められる可能性が高そうです。
取引ツールの利用料
FX取引には、取引ツールやチャート分析ツールの利用料が発生することがあります。
これは、取引を支援するために使用するツールの利用料であり、経費として計上することができます。
これは、バックテストを行うためのローソク足データをダウンロードするためのTDSなどのツールなども対象となりそうです。
EAを使った自動売買をするうえで、安定稼働に必要なFX専用のVPS(レンタルサーバー)も経費になります。
FXや投資に関する本、資料、情報商材やサブスクの費用
FXで利益を上げるために、勉強を行った本や資料、情報商材やサブスクの費用も経費として認められる可能性が高いです。
FXで利益を出していく上で、基本的な知識やトレード手法など、本から学べることも多くあります。
FX初心者が必ず手に取るべきおすすめの本9選には、何かしらトレードに良い影響を与える本があると思いますので、チェックしてください。
FXセミナーや情報交換時の飲食代など
FXで利益を出すために出席したFXセミナーの費用や、FXトレーダー間での情報交換時の飲食代などは経費として認められる可能性があります。
ただし、FX繋がりの友人などとの食事会など、FX取引との関連性を証明するのが難しいケースにおいては経費として認められない場合もありますので、あくまでも直接的にFXに直結した内容である場合のみと考えておくのがよさそうです。
取引手数料
FX取引には取引手数料が発生することがあります。
これは、取引を行う際に証券会社や取引所に支払う手数料であり、経費として計上することができます。
為替差損・為替差益
FX取引においては為替の変動により、為替差損や為替差益が発生することがあります。これは、取引の売買価格と決済価格の差によるものであり、経費として計上することができます。
取引手数料や為替差損・為替差益などは、基本的にFX会社ごとのツールやマイページから、取引の損益と合わせて出力ができます。
国内FX口座の場合は年間を通して出力できる「取引残高報告書」に含まれていますし、海外FX口座の場合は、MT4の取引履歴などに合わせて記載されています。
家賃
FXの取引を行う場所=事務所として、家賃も経費として認められるのが一般的です。
ただし、あくまでもFXの取引に利用している面積分=家賃の〇〇%として申告をする必要があります。
専用のトレード部屋があるなどの場合はわかりやすいですが、全体面積のうち利用しているスペース分の%を家賃にかけて(按分する)、経費計上をします。
どのくらいの割合が適正なのかは、やはり税理士さんに相談するのが確実そうです。
光熱費
光熱費も、FXを行う上で必要なパソコンの電気代等として経費計上が可能です。
こちらも、家賃と同様計算によって利用した割合分を按分して経費計上をします。
経費計上の条件を満たす費用の注意点
FXで経費に計上するためには、以下のような条件を満たす必要がありますので注意しましょう。
業務に直接関係すること
経費として計上するためには、その費用が業務に直接関係している必要があります。例えば、FX取引においては、取引手数料や為替差損・為替差益は、取引に直接関係しているため、経費として計上することができます。
適正な金額であること
経費として計上するためには、その費用が適正な金額である必要があります。例えば、高額な取引手数料や過大な為替差損・為替差益は、適正な金額であるとはいえないため、注意が必要です。
正確な記録を保持すること
経費として計上するためには、正確な記録を保持しておく必要があります。
取引履歴や取引ツールの利用料の明細など、必要な確証を適切に保存しておくことが重要です。
税務申告時にはこれらの書類を提出することが求められるため、正確な記録の保持が必要です。
また、経費計上の条件を満たす費用については、税務法や税務署の解釈によって変わることがありますので、最新の税法の情報を確認することも重要です。
税務申告においては、専門的な知識が必要となるため、税理士や会計士に相談することをお勧めします。
FXでパソコンやタブレット、スマホ代を経費にする方法と注意点 まとめ
FXでパソコンやタブレット、スマホ代を経費にする方法と注意点について紹介しました。
まとめ
- FXの確定申告や経費計上については、税理士さんに相談、依頼するのがおすすめ。
- FXの利益を出すために必要になった費用は経費として計上することで、利益から差し引くことができる。
- パソコンやタブレット、スマホは経費計上ができるが、FX専用でない場合は利用している%の金額のみになる。
- 税理士さんに依頼する場合も、経費の確証は必ず保管し、マネーフォワードやExcelなどで記録を残すのがおすすめ。
経費についてのお話になりましたが、いずれにしてもFXで利益を出していくことが前提となってきます。
FX研究所で無料公開している自動売買用EAやFX便利ツールは、FXトレーダーの意見をもとに改良をしているものですので、何かしらトレードスタイルに合うものが見つかるかもしれません。
以下の記事に利用の流れを紹介していますので、気にいったツールがあれば活用してください。