こんな方におすすめ
- MT4のトレーリングストップ機能について知識として知りたい方
- FX取引でどうしてもトレンドに乗れずに早く決済をしてしまう方
- 使おうとしているEAにトレーリングストップ機能があるが意味がわからなかった方
- FXであまりMT4チャートを見る時間がなく、損切りライン(ストップロス)を自動で上げていきたいと考えている方
- スマホでトレーリングストップを使ってトレンドに乗りたい方
この、トレーリングストップ(トレイリングストップ)は、FXで特にトレンドに乗って利益を出していくようなトレーダーにとって、大きく利益を伸ばせる可能性があるMT4の機能で、誰でも無料で使えます。
トレーリングストップをMT4に設定する方法と使い方【FXの損切ラインを自動変更】でトレード結果が変わったというFXトレーダーもいるので初心者は是非覚えておくといいでしょう。
トレーリングストップとは損切り設定を自動で切り上げるMT4の機能
FXのトレーリングストップ機能とは注文方法の一種で、MT4に標準でついている機能(PC版のみ)です。
英語で書くと、trailling stop(トレイリングストップ)です。
trailの直訳は引きずった跡、 通った跡、 痕跡(こんせき)、 船跡、 航跡というところで、
ストップを引きずる⇛ストップロスを引っ張っていく、切り上げていく
というような意味です。
このトレーリングストップは、自分が設定したトレーリングストップ幅に応じて、FXで取引しているポジションの損切りライン(S/L)を自動で変更していってくれるとても便利なMT4の機能です。
特にトレンドが強く出ているような相場で、テイクプロフィット(利確)を決めずにとことんトレンドの波に乗っていきたいという時などに有効です。
一般的なトレーリングストップ機能のイメージとしては、エスカレーターのような感じです。
損切り設定(ストップロス)が自動で切り上がるトレーリングストップのイメージ例
トレーリングストップのイメージが付きやすいように、実際に一般的にトレーリングストップを利用してFX取引をして、損切り設定(ストップロス)が切り上がっていく動きを見ていきましょう。
ドル円での取引注文例、条件
- 1ドル101円になったらトレード開始(買い注文)
- 損切りライン(S/L)価格を、99円に指値で設定
- トレーリングストップの設定を100pips(1円)に設定
- 利確(T/P)は特に指値で設定しない
①エントリー注文とトレーリングストップ設定、損切り設定をする
1ドル101円になったタイミングで、買い方向の取引を開始します。波に乗るという意味で、利確(T/P)は指値では今回設定しません。
合わせてトレーリングストップの幅を100pips(1円)、損切りライン(S/L)を99円と設定します。※トレーリングストップの設定だけだと、エントリー時に損切りは自動設定されません。
②トレーリングストップ機能で、損切りライン(S/L)が自動で変更される
トレーリングストップ幅として設定していた100pipsの利幅に達した段階で、トレーリングストップ発動。損切りライン(S/L)が、99円⇛101円に自動で変更されます。
③高値更新と合わせて、トレーリングストップが損切りを自動切り上げていく
ドル円相場が上昇して、高値を更新していくごとに損切りライン(S/L)の値も更新されていき、トレーリングストップで設定されている最大の100pipsを維持します。
④最終的に、切り上がった損切り(S/L)ポイントで決済される
上昇していたドル円相場も下落を始め、最終的には切り上がった損切りライン(S/L)の103円に引っかかってトレードの決済注文がされます。
合計で200pipsの利益を得た、というトレーリングストップ機能を利用したFXトレードの例でした。
覚えておきたいトレーリングストップの注意ポイント
- トレーリングストップ機能のみだと、トレード開始時に損切り設定は自動で設定されません。つまり、予想と反してマイナス方向に相場が動いて言った場合、損切りライン(S/L)は設定されないまま動いていくので、最初に手動で損切り(S/L)設定することをオススメします。
- トレーリングストップ動作は、設定したMT4を起動していないと動作しません。つまり、パソコンやVPSでMT4を起動し続ける必要があります。※MT4が落ちても一度設定された損切り(S/L)は機能しますが、自動で相場を追いかけていかなくなります。
トレーリングストップは便利だがスマホのMT4では動作しない
トレーリングストップ機能は、相場の値動きに合わせて損切り(S/L)を自動で切り上げてくれるのでとても便利です。
反面、外出中・仕事中などでエントリーチャンスがあった時など、標準のスマホアプリのMT4でトレードをする時に利用することができません。
スマホアプリは起動しっぱなしにできないところから、相場の状況を見て常に処理をするということができないという理由もあります。
(参考)スマホ版の標準のMT4ではできないこと
- トレーリングストップ設定ができない
- FX自動売買(EAの利用)ができない
- カスタムインジケーターなどを使うことができない
しかし、
トレーリングストップ機能をスマホ版のMT4で利用するテクニックも存在します。
MT4でトレーリングストップ注文をする方法
トレーリングストップの注文はパソコン版のMT4上で行います。
MT4の下部に表示される「ターミナル」内の取引タブから設定したい取引を右クリックして、「トレイリング・ストップ」⇛「カスタム設定」と選択しましょう。
※ターミナルが表示されていない場合、MT4上部の「表示」ー「ターミナル」で出てきます。
カスタム設定を開くと以下のような画面になりますので、トレイリング・ストップの設定のところに、設定したい値を入力しますが2点注意です。
トレイリング・ストップの設定について
- ここで設定するのは「pips」ではなく「ポイント」です。1pips=10points です。例えば100pipsの場合は、1000ポイントになるように入力しましょう。
※厳密に言えば、小数点以下3桁/5桁を採用しているFX会社か、小数点以下2桁/4桁を利用しているFX会社かによって変わってきますが、現在は海外FX業者、日本のFX業者共に3桁/5桁を採用しているところがほとんどですので、上記設定で問題ないでしょう。 - 最低設定値は通貨ペアや会社によって異なります。ボラティリティやスプレッドが関係しています。
設定が完了したらOKを押します。
トレーリングストップの設定ができているトレードには、「ターミナル」ー「取引」内の一番左のマークに「T」の文字が入りますので設定されているかどうかの確認をすることができます。
設定したトレーリングストップをMT4で取り消す方法
設定した時と同じく、MT4内の「ターミナル」ー「取引」から、トレーリングストップを取り消したい取引を右クリックします。
トレイリングストップ⇛無しと選択することで選択したトレードのトレーリングストップを取り消すことができます。
現在のFX口座で取引中の全てのポジションでトレーリングストップを取り消す
トレイリングストップ⇛全て削除を選択すると、
すべてのトレイリング・ストップを本当に削除しますか?というポップアップが表示されます。
はいをクリックすると、FX口座で取引中の全ての取引のトレーリングストップを取り消すことができます。
トレーリングストップで損切り設定を自動切り上げが有効なのはどんな時
トレーリングストップ機能が、損切りライン(S/L)のレートを切り上げていくMT4の機能だということは理解できたと思います。
私が考えているFX取引においてトレーリングストップが有効に使える場面は以下のとおりです。
トレーリングストップが有効といえる場合
- トレンドに沿った取引を行い、利益を自動でどんどん伸ばして行きたい時
- こまめにチャートを確認できないが、損切りラインを徐々に自動で変更していくことで急激な相場の変動が起こっても最大損失を抑えたい時
特に、トレードがどうしても損大利小になってしまう方や、MT4でチャートを見ていられる時間があまり取れない方は一度使ってみてもいいと思います。
- トレンドのてっぺんまでの利益をとりに行きたい場合は、利確(T/P)を設定せずに損切り(S/L)とトレーリングストップを設定。
- 目標とする利確ポイントがある場合は、損切りラインを自動変更する為にトレーリングストップを設定。
というように、ご自身の目的に応じて活用するのがいいですね。
注意が必要なのは、トレンド相場の中でも一旦の押し目や戻りといった反転が発生しますのでトレイリング・ストップの設定幅によってはそこでトレードの決済がされてしまうということです。
(比較)Exy-2シリーズのEA標準のトレーリングストップ機能はひと味違う
Exy-2シリーズもトレーリング機能を付けていますがこちらは常に追尾するタイプではなく、階段式に損切りを追尾させるような設定にしています。
トレーリングストップを利用した簡単なトレード例で紹介した時のドル円の相場の値動きを元にイメージを紹介します。※動きをわかりやすく例にしています、実際のパラメータや通貨ペアは違います。
Exy-2の疑似トレーリングストップ、ドル円でのトレード例、条件
- 1ドル101円になったらトレード開始(損切りは99円、利確は104円に自動設定)
- Exy-2のEAによるFX自動売買
①自動でトレード開始。同時に利確・損切りを自動セット
1ドル101円になったタイミングで、買い方向のトレードを開始。
合わせて自動で利確を104円、損切りを99円に設定。擬似トレーリングストップも稼働。※バックヤードでEAが相場を監視
②疑似トレーリングストップ機能で、損切り(S/L)が変更
疑似トレーリングストップ機能によって、設定した利幅分上昇したので損切り(S/L)ラインを101円に自動で切り上げ。
③最終的に、利確(T/P)ポイントで決済
Exy-2に設定している疑似トレーリングは階段状の為、一段損切りラインを上げたところでそれ以上損切りラインは変更されません。
最終的に、当初の利確(T/P)ポイントである、104円に到達して利確で決済という動きです。
こちらの例では、うまく利確できましたが、相場の状況によってはこのまま損切りラインまで落ちてきてしまうケースもあります。
Exy-2は、ロジックとの相性等を考えトレンド方向の順張りトレードの中で、押し目や戻しを考慮して開発をした為、この疑似トレーリングストップを採用しています。
MT4の損切り設定を自動で切り上げする方法【トレーリングストップの使い方】 まとめ
MT4の損切りラインを自動変更する、このトレーリングストップ機能。
FXで活用する時にどういった操作をすればいいか、なんとなく理解できたでしょうか?
トレーリングストップ機能まとめ
- トレーリングストップは損切りラインを自動変更するMT4の標準機能。相場を追いかけて自動でレートを変更。
- 基本機能だと、パソコンのMT4だけ利用可能。スマホで使う場合は別の仕組みが必要。
- トレーリングストップにも色々な種類がある。
- FXでトレンドに乗りたい人、時間がない中で損切りラインを自動で動くようにしたい人に有効!
特に、スマホでFXをする人にとって欲しいだと思うので、MT4の基本機能では実現できないトレーリングストップ機能をスマホで使えるようなシステムを無料公開しました。
スマホでトレーリングストップを可能にする方法
無料EAのページや、FXをしていく上で有効なことなども紹介していますので、皆さんのFXライフに役立ててください。